映画館を基準に作られる
映画の音はおおむね映画館の環境を基準に整えられます。映画館は静かで、スピーカーが複数の方向にあり、ごく小さな音とごく大きな音の差をそのまま出せます。同じ音源を、雑音のある家で小さなスピーカーから再生すると、小さな音は埋もれ、大きな音だけが残ります。 特に映画は緊張感のために、ごく静かな場面と爆発的な場面をわざと隣り合わせることが多く、この差が家でいちばん問題になります。
せりふが小さく効果音が大きいのは、多くの場合音量の問題ではありません。映画館基準の音作り、試せる設定、サウンドバーやヘッドホンの選び方、点検の順番をまとめました。
映画の音はおおむね映画館の環境を基準に整えられます。映画館は静かで、スピーカーが複数の方向にあり、ごく小さな音とごく大きな音の差をそのまま出せます。同じ音源を、雑音のある家で小さなスピーカーから再生すると、小さな音は埋もれ、大きな音だけが残ります。 特に映画は緊張感のために、ごく静かな場面と爆発的な場面をわざと隣り合わせることが多く、この差が家でいちばん問題になります。
複数のチャンネルで作られた音では、せりふは主に画面の中央を担当するチャンネルに入ります。効果音や音楽は左右と後方に広く散らばっています。テレビやノートパソコンのようにスピーカーが2つしかない機器で再生すると、これらのチャンネルが合わさり、広がっていた音が中央に集まってせりふを覆ってしまいます。 そのため同じ映画でも、2チャンネル用に別に作られた音声トラックを選べるなら、そちらのほうが台詞を聞き取りやすいことがあります。
音量を上げることはたいてい解決になりません。せりふは相変わらず聞こえず、効果音だけが大きくなります。機器にある設定を先に確かめるほうがよいです。 設定の名前はメーカーごとに違いますが、たいてい音声メニューの中にまとまっています。
薄いテレビは場所がないためスピーカーが小さく、下や後ろを向いていることが多いです。音響用の細長いスピーカーや外部のスピーカーをつなぐと、同じ映像でも大きく変わります。無線でつなぐ場合は圧縮のため音質が落ちたり、映像と音がずれたりすることがあるので、ずれを感じたら有線の接続を試す価値があります。 部屋に物が少なく壁が硬いと音が響いて台詞がぼやけることがありますが、カーテンや敷物のような柔らかい物がそれを和らげてくれます。
外部スピーカーを導入するつもりなら、台詞を専門に受け持つセンターチャンネルがあるかをまず確かめるのがよいでしょう。低音を受け持つウーファーは爆発音や音楽の重みを生かしてくれますが、台詞をはっきりさせることとはあまり関係がありません。住まいの事情で大きな音を出しにくいなら、低音より台詞に強みのある製品が実用的です。設置するときは、スピーカーを画面のすぐ下か上、座った人の耳の高さに近い位置に置くと音が画面から出ているように感じられ、前をふさぐ物を置かないだけでも台詞がぐっと聞き取りやすくなります。
夜に大きな音を出せないなら、ヘッドホンがいちばん確実な代わりになります。周囲の雑音が遮られるので小さな台詞もよく聞こえ、大きな音と小さな音の差も意図どおりに感じられます。ただし静かな場面に合わせて音量を上げておくと、突然大きな効果音が鳴ったときに耳に負担がかかります。大きな音量で長時間聞く習慣は聴力を損なうおそれがあるので、音量は会話が楽に聞こえる程度にとどめ、ときどき休むのがよいでしょう。耳鳴りや耳が詰まった感じが続くなら、耳鼻咽喉科を受診するのが安全です。
台詞が聞き取れないときは、次の順にひとつずつ確かめると原因を早く見つけられます。音量をいじる前に設定から見るのがポイントです。 一度合わせた設定はほかの作品でもそのまま保たれるので、最初に一度手間をかければ、その後がずっと楽になります。
設定をすべて変えてもせりふが難しい作品があります。俳優が意図して小さく話す場合や、現場の録音を生かす演出の場合です。こうしたときは字幕を出すのが最も確実な解決です。同じ言語の字幕を出すことは恥ずかしいことではなく、音の設計から見ればむしろ想定された選択肢に近いものです。 耳の不自由な人向けの字幕は効果音の説明まで付いているので、状況をつかむのにいっそう役立つこともあります。